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井上ひさしさんが亡くなりました。反戦、平和、反核の思想を貫いた真に尊敬すべき作家でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。
井上さんは小説を新聞に連載する際は必ず父の挿絵を指名したそうです。新聞社は原稿料が高いので父になんて頼みたくはないのに井上さんに連載して欲しいのでしょうがなく頼むと父は言ってました。連載小説の単行本は出版社の意向もあって必ずしも父の装丁にはならない場合もあるのですが、文庫化に際しては出版社もこだわりが少ないので父を指名してくださる場合が多いとも聞きました。 井上さんは自他ともに認める遅筆ですが、父は「描くのが日本一早い」と豪語していました。新聞や雑誌の連載では原稿をぎりぎりまで待ったりしますのでこの遅早コンビが都合が良かったのかもしれません。 原稿の一枚目とか口頭のあらすじだけで父が絵を描き、それを見ながら井上さんが続きを書く世にも珍しい画文逆転現象もあったようです。父もよく舞台となる住宅の間取りや登場人物の顔を描いて送るとそれを元に物語を考えると自慢していました。一方で絵を先に描くが故にヒゲや帽子の有無など画文不一致の失敗もあったようです。 僕が高校生のとき、夕刊フジで井上さんと父の連載が始まりました。タイトルは失念してしまいましたが新宿四谷の若葉荘という孤児院を舞台にした物語です。僕が通学の帰りに買って帰ることになっていたのですが、ようやく舞台設定や登場人物が出そろったあたりで急に連載中断してしまいました。井上さんとしては珍しいことではなく作品はの続きはちゃんと書いて本にすると父が言っていたので、いつか本が出るのを楽しみにしていたのですが残念です。 「ドン松五郎の生活」「偽原始人」などの挿絵は父にとっても代表作と言っても良いすばらしい仕事です。その挿絵のほとんどは単行本では見れないのが残念ですが。
by jamacou
| 2010-04-12 04:23
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